20240715

職業柄あちこちの公共施設に行く機会があって、しばしば優れたワードアートに出会うことがある。今回は搬入口と管理事務所に貼ってあった朝の挨拶を求めるワードアート。

初見考察

a. 右の警備員

右の屈強*1な警備員のやや劇画調な描かれ方に対して、後頭部くらい*2から明るいトーンで発せられている「おはようござ います」。句点が打たれていないので、字面だけ見ると職務に極めて忠実かつ感情を持ち込まない警備員に見えるけども、首と頭の境目ぐらいから朝日のようにスウッと昇っていくオレンジの吹き出し。この材料からは素っ頓狂な声しか想像できない。

b. 左のお姉さん

一方、左のお姉さん。どう見ても買い物帰り。出勤したところとは考えにくい。定時で帰りそうな雰囲気すっごくあるけど吹き出しがデカい。声がデカいやつがエラいタイプの職場か。でも句点はちゃんと打つタイプ。

役割と思い込み

そんなことよりも吹き出しの中身が問題で、彼女は自分で「管理事務所です。」と言っている。おそらくこのワードアートを見た人の90%以上が「管理事務所=右の警備員、出勤してきた人=左のお姉さん」と読むのではないか。しかし、真実は違う。お姉さんが管理事務所サイドだったのだ。右の警備員ふうの人はいま出勤したところであったのだ。

しかも、この吹き出しの形から察するに、お姉さんはこの台詞を口にしていない。そう「思っているだけ」。朝の挨拶とは何だったのか。そして吹き出しは上が赤く、下に向かって青へのグラデーションを描いている。「おはようございま」までこんなにホットなのに、「す」で冷え始めている。この二言の間に温度感がグッと下がって「です。」の頃には冷え切ってしまった。

日付変わってAM2時。AM10:30に見てからずっとその正体がわからなかった違和感は「お姉さんが管理事務所だった」ということでようやく整理された。いや納得いかないところがまだあるけど、キリがないので寝る。


*1 かどうかは知らない(推定)
*2 ご丁寧に手や頭よりも吹き出しが後ろに書かれていて、後頭部から声が出てる説を補強している。

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