20250916

備忘録

人の演奏を見ているあいだ、なぜか貧乏揺すりが止まらなかった。なんでだ。体調の変化だったら嫌なので備忘しとく。

備忘録2

ジャズフェスでジャムセッションに参加してとても楽しかったのだけれども*1、セッション的なジャズ(よく言えばより即興的な、悪く言えば行き当たりばったりの)は高度なルールに基づくゲームだとつくづく感じた。

碁や将棋は、ルールがわかる人がより上手な人の対局を楽しんで見る文化がある。一方で、ルールがわからない人は対局のテレビ中継を見ることはまずない。プレイヤーがプレイヤーのパフォーマンスを見ると楽しめるが、プレイヤーでないと見ていても面白くない、ということになる。

音楽は万人に開かれていて、素晴らしいものだから誰でも楽しめる――とは言うけれど、ジャムセッション的なジャズ演奏はゲームとしての性格が強い。語弊を恐れずに言えば、ショウではない。行き当たりばったりのセッションを「今日しか聴けない一度限りの演奏」という言葉で包んでも、文化的なバックグラウンドがない人にはさほど魅力的には映らないだろう。

そういう「ジャズ」を悪いと言っているわけではなく、ルールがわかるプレイヤーが楽しむものだ、という立場ははっきりさせておきたい。ゲーム実況動画がこれだけ受け入れられている今、解説でもあれば楽しんでもらえるかもしれない*2。リスナーよりプレイヤーばかり増えていく昨今の傾向を考えても、プレイヤー向けのビジネスというのも成立しそうな気がする。

(狭義の)ジャズミュージシャンの素晴らしいスキル、音楽性にはもちろんこの上ない敬意を払っているけれど、この現実から目を逸らし続ける姿勢でいる人からは少し距離を置きたい。行き当たりばったりのものを惰性で毎日見せるのはちょっとキツい。それ自体がコンテンツとして成立する個性、オリジナリティのあるショウの世界に身を置いていたいし、そのためなら「ジャズ」を「卒業」してもいい*3。と、仕事帰りにピアニストと話して帰ってきた。

言い訳のような補足だけれど、ゲームとしてのジャムセッションはやっぱり楽しい。ジャズ楽しいね、とホクホクして帰ってきた今だから、ジャズのあり方とは、と考えてしまう。考えていたら帰りの電車で寝過ごした。


*1 もう著名ミュージシャンがたくさん来てて、若手もここぞとばかりに張り切っててすごい熱量でした。楽しかった!
*2 プレイヤーの頭の中を動画の中で実況中継するポストが流行っているのもこの流れだと思う。
*3 念のためもう一回書くけど、ジャムセッションめちゃくちゃ楽しかったです。行ってよかった。

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