食べ物は、食べれば量が減っていく。世の理である。
それを覚悟して食事をしているわけだけれども、「つけ麺」というのは特にそのさまがよくわかる部類の食べものであろう。
何のオブラートにも包まれず、丸裸のままただ減っていく。隠しようもなく、その姿は小さく小さくなっていく。
まるで親しい友人がその命を少しずつ削っていくのを何もできず見つめているような、そんな心持ちにもなる。麺が大盛りであったことで、あんなに恰幅がよかったあいつが…と、無力感が増幅されることも知った。
毎度そんな体験をして、数分くらいは小麦畑に思いを馳せてみたりするのだけれど、だいたいお腹いっぱいで思考の流れは満腹感にせき止められ、やがて忘れる。
せめて骨だけは拾ってやりたい、と皿に残った麺の切れ端をつまむ。また会おう、と呟きながら*1。
*1 最近週イチくらいで会っているので自戒をこめて。